罪人の娘となった王女ファシリシア、初恋の反逆者に捧げる最期の夜
特に優れた能力もなく、父王からも期待されずに生きてきた王女ファシリシア。彼女の凪いだ日常は、初恋の相手ローハンの反逆によって一変する。罪人の娘として極刑を覚悟しながら、せめて愛する彼の手で死にたいと願う彼女の悲痛なまでの恋心が、物語に深い情緒を与えている。静かな文体で綴られる絶望と、その先に待つ運命の行方には、単なる官能を超えたドラマチックな重みがある。物語を重視する読者にとって、この切なくも美しい純愛の記録は深く心に刺さるはずだ。